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天 地あめつち)の 初 発(はじめ) (宇宙の創始)  

                             古事記        

 天地(あめつち)の初発(はじめ)の時(とき)、高天原(たかまのはら)に成(な)りませる神(かみ)の名(みな)は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、次に高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、次(つぎ)に神産巣日神(かむむすびのかみ)、此(こ)の三柱(みはしら)の神(かみ)は、並(みな)独神(ひとりがみ)成(な)り坐(ま)して、身(みみ)を隠(かく)したまひき。次(つぎ)に国(くに)稚(わか)く、浮脂(うきあぶら)の如(ごと)くして、久羅下那洲多陀用幣琉時(くらげなすただよえるとき)に、葦牙(あしかび)の如(ごと)萌(も)え騰(あが)る物(もの)に因(よ)りて、成(な)りませる神(かみ)の名(みな)は、宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、次(つぎ)に天之常立神(あめのとこたちのかみ)、此(こ)の二柱(ふたはしら)の神(かみ)も独神(ひとりがみ)成(な)り坐(ま)して、身(みみ)を隠(かく)したまひき。

 

   天之御中主神は、無限の宇(空)(そら)無窮の宙(時)それ自体であり、重重無盡の理法と因縁を行じたまい、真空妙有にして充満せる宇宙エネルギーである。それは、また、波動であり、言(ことば)であり、光となって物に:転化したまう。法の華開(ひら)く荘厳なる森羅万象と顕現したまう。

   天之御中主神、生死の中に在(おわ)しませば、もと生死なく、理法(心)ありて物生ずるなれば、物は心の鏡に映ずる現象。心物一如・心象不二。淵淵たる其の無限の淵より穆穆として湧出する、天行健にして自疆息まざる大生命である。

   幾百光年の大星雲ともなれば、紫光一閃の雷電ともなり、森林に咆吼する獅子王ともなれば、机上に這い来る羽虫ともなり、貪欲なる豚児ともなれば、忠義に奉仕する蟻蜂ともなる。小枝を渡る小禽、一枚の蝶の羽の見事なる織物、地に花、天に星、人に愛。

   天之御中主神は人となりたまいて、神の命の分霊の「みこともち」として自(みずか)ら現前したまい、天の誠を誠たらしめて、原野を開拓し、物を開きて生を厚くし、人心に真・善・美・聖なる諸徳を成就せしめて、地上に大和世界の華厳なる文化を建設する。修理固成の使命を、自(みずか)らが自(みずか)らに委任したまう。

   絶対唯一なる 天之御中主神

   玄妙なる哉! 天之御中主神

   天と謂い、対極(無極)と名づけ、谷神は死せず玄牝と謂うと謂い、方広仏と称え、諸法実相・妙法蓮華経と謂い、仁と謂い、良知と謂い、宇宙エネルギーとも謂う。皆これ天之御中主神の体・用・徳・功・境を覗っての言葉である。

   讃えん哉! 天之御中主神

   天之御中主神の中に産霊(むすび)の作用あってすべては生成する。原子核より始まって宇宙は結びの統一体である。結びの作用解くれば、病(やまい)となり気枯(けがれ)となり遂に解滅して氷の水に帰するが如く元にかえる。天之御中主神は、不生不滅・不増不減。その絶対唯一の統一と理性と変易とは、常立神(とこたちのかみ)にして常住不易。現象は無常迅速、矢よりも速やかに一瞬もとどまらぬ生成消滅。陰陽二原理の産霊(むすび)の二神高御産巣日神(たかみむすびのかみ)・神産巣日神(かむむすびのかみ)存(おわ)し給う。

   この産霊二神の作用によりて、瑞瑞(みずみず)しき生命の神、守麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)は成りますのである。宮中の神殿には八柱の産霊(むすび)の神が祭ってある。その玄意を知らねばならぬ。

DSC_0329完成版

         立極垂統

         竹葉秀雄編著